続いて光 いくつもの

薄井ゆうじ『竜宮の乙姫の元結いの切りはずし』

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海沿いの町で毎日海に潜って、竜宮城を探すけど竜宮は存在するんだかしないんだか、みたいな話。

 

面白かった。こんなにストレスフリーに読める長編(中編?)小説も珍しいのでは。

 

むかし竜宮に行ったという老人が、もう一度行きたいから竜宮を探してくれって言うから、主人公が手伝うみたいなストーリー。

海辺の町で女の子と知り合ったり、ダイビングしたりするだけで200ページちょいがあっという間に過ぎる。

途中ぼーっと読んでると村上春樹読んでるのかと思ったりした。

 

薄井ゆうじの一部の作品は、登場人物がキャラクターっぽいのかもな。アニメ漫画的というか、童話とか少年文学?に近いのかも。

 

あと、一部の作品は語り口が村上春樹っぽい。でも村上春樹よりは良くも悪くも「ふつう」で読みやすい。ストーリーもわかりやすいものもある。

 

海辺の町に休暇に来たみたいな、ゆったりした気分になれる。

ストーリーのオチはちょっとよくわかんない部分もあるけど。

 

「お帰り祭り」っていう架空のお祭りがある。

その日はどの家もご馳走をつくって玄関を開けておくの。そして誰が来ても、近所のひとでも見知らぬひとが入ってきても、お帰りなさい、と家族が言って、そのひとにご馳走を振る舞うの

これ本当にあったらおもしろそうだな。

 

思えば『カメレオン狂のための戦争学習帳』っていう好きな小説もキャラクターぽいところあるんだよな。

子どものとき漫画ばっか読んでたし、ガチガチの文学はあんま向いてはないんやろな。

 

漫画もいいけど小説が読みたくて、文学っぽすぎる難しさとか濃さは求めてなくて、でもラノベはちょっと文体が軽すぎる、みたいな気分のときはコレだな。

 

 

 

 

 

 

 

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