続いて光 いくつもの

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

村上春樹『納屋を焼く』

英語だとburn the barnである。村上春樹はそこまで好きでないが、この作品は好きだ。 大学時代に家庭教師してた子に勧めたら気に入ってくれた。英語だとburn the barnになるというのはその子が発見してくれた。 5年ほど小説を読んできて(たかが5年だが)、一…

最近読んだ本・10月2週

目次 ・遠野遥『改良』 ・尾崎翠『「第七官界彷徨」の構図その他』 ・チェーホフ『六号室』 ・横光利一『蠅』 ・panpanya『足摺り水族館』 ・手塚治虫『ブッダ』 ・遠野遥『改良』 面白いけど、芥川賞を取る『破局』までの1年間でかなり上手くなったんだなと…

尾崎翠『尾崎翠全集』

最近、小池昌代を読み始めて、面白いなと思ってたのだがなんとなく読むのを止めてしまった。 文章の詩的なリズム、才能は間違いないのだが、「私って凄いやろ」「私の描く美しい文章を見て」的な自己満を感じた気がする。 なんかこう、心が篭ってないという…

中島敦『悟浄出世』

中島敦といえば『山月記』が有名だが、『李陵』や『狐憑』そして『悟浄出世』も面白い。 『悟浄出世』は、実存の不安・アイデンティティクライシスといったものを、パロディチックに描いている。 近代と呼ばれるもの以前は、農家の子は農家であり、人間がど…

最近こんなの読みました

・小池昌代『ことば汁』 「女房」しかまだ読んでないけど、私の持つ屈折に似たものが描かれていて面白かった。 ストーリー物があまり好きではない気がする。この本みたいに詩的な言葉で書かれた小説や、始めからストーリーが断絶してる不条理小説、事柄を羅…